渡邉允著 天皇家の執事侍従長の十年半 読了 22/100

神様の本、古事記とくれば必然的に天皇家ですよね
先日読んだ池上彰の著書に天皇が何をいつもしているか、この本を読めば詳細にわかる
と、紹介があったので手にしてみました
侍従長というのは天皇陛下の秘書みたいなもので
常に天皇家とともに過ごしている
天皇家は憲法で国事行為のみを執り行うわけですが
実は私的な行為として、というかコレを一番知りたかった
宮中祭祀を年間30以上も執り行っている
僕の理解だと天皇は神職なんだと思う
それも、この地を納める天照大神の直系の身として
その宮中祭祀は憲法の政教分離の関係から、また皇室の私的行為という位置付けから
ほとんど報道されないわけで
ただ、天皇が祈っていることというのは
私的な無病息災とか商売繁盛とかではないわけで
国の繁栄と国民の幸せを祈っているということ
国民皆が知るべきと思う
ちなみに11月23日の勤労感謝の日に行われる新嘗祭
新穀を皇祖始め神々にお供えになって感謝する祭祀なんだけど
夕方6時から8時、夜11時から明けの1時まで
なんと4時間ずーっと正座らしい
多分時期からいっても寒いわけでもちろん暖房ない中
僕なんか絶対耐えられない
ちなみに陛下は足の痺れに煩わされることなく
前向きで済んだ清らかな心で執り行いたいということで
御所でTVを見る時は年中正座で鍛えているらしい

全然知らなかったんだけど、陛下は皇太子時代ハゼの研究をしていて
世界的なハゼの分類学の研究者だったんだと
というか、20種類以上の新種を発見しているとともに
論文も数多く発表
あの著名なサイエンス誌にも寄稿しているらしい
即位後は忙しくて研究が出来ないらしいけど、そもそも忙しい中でも研究ができる様
作業が中断しても構わない分類学を選択していたらしい
ちなみに即位後も2種類の新種を発見したという
本当にリスペクトです

陛下の国民に寄り添う心は本当に素晴らしいなと
出来る限り一般市民の生活を乱さぬことを最優先にしており
陛下を乗せる車列が救急車などの車両に遭遇した場合は端により徐行することを毎度
強く求めているらしい

沖縄の人々のことは特に心にとめ
平成8年4月のクリントン大統領との会見時には
「沖縄の問題は日本両政府との間で十分に話し合われ、沖縄県民の幸せに配慮した解決の道が開かれていくことを願っております」と
お立場上かなりギリギリのことをお願いしたらしい
被災地訪問もそうだけど
上辺だけでなく本当に心から国民に寄り添っている
それが天皇だと思う
先の大戦にも思いをはせ

「今日我が国が享受している平和と繁栄が多くの人の犠牲の上に気づかれていることを深く心に刻み、これからも、この戦争に連なる全ての死者の冥福を祈り、遺族の悲しみをわすれることなく世界の平和を願い続けたいと思います。」

この天皇が存在する国に生まれて良かったと思う
めちゃくちゃ真面目な生活を送る陛下
妥協とか力を抜くということを知らないというより
考えもしないんだと思う
だからこそ、ご退位を決断されたこと
そばに居る側近だれもがホットしたと思う
退位前にこの本に出会ってよかった

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